[当会について]理事長メッセージ 2021年度の活動方針

一般社団法人 公認心理師の会 理事長 丹野義彦

 2018年11月に発足した公認心理師の会(心師会と略、注)は、早くも3年目を迎えようとしています。部会と委員会の活動もますます活性化しており、みなさまのおかけで会の活動も軌道に乗って参りました。今年度の活動の方向について、2021年3月の理事会で決まった方針を共有させていただきます。

1.本年度もWeb研修会を10本以上開催します

 昨年2020年度の研修会は、5月31日に東京大学駒場キャンパスで開催する予定でしたが、コロナ禍のために開くことができませんでした。そのかわりに、Web形式で8本のワークショップを開催しました。厚生労働省と文部科学省からの正式も後援をいただき、好評のうちに終えることができたのは幸いでした。

 本年2021年度も、対面形式でおこなうことは難しい状況ですので、Web形式で開催させていただきます。5つの専門部会から各2本ずつのワークショップを開催することになっています。各専門部会では、公認心理師にとって必要なコンピテンスのリストを作成しており、そのリストと研修会内容を関連づけるようにしています。研修会を実行するために研修会・年次総会委員会が立ち上がり、作業を進めております。ワークショップの内容は決まりしだい、会のウェブサイトやメーリングリストなどでお知らせします。みなさまぜひご参加ください。

2.年次総会もWeb開催を検討しています

 昨年は5月30日に、年次総会を東京大学駒場キャンパスで開催する予定でしたが、コロナ禍のために開くことができませんでした。そのかわりに、総会のシンポジウム等の7本の企画をYouTubeで無料公開し、好評をいただきました。

そもそも年次総会は、以下の3つの目的のために企画されました。

A)会員の交流機能(全会員が一同に会し、顔を合わせ、学び、考え、親睦を深めるため)

B)学会機能(科学者−実践家モデルにもとづく実践研究を推進し、論文集を発行するため)

C)広報機能(当会の活動を内外に知らせ、会員の勧誘や当会の理念の普及をはかるため)。

 年次総会はそもそもは対面開催が望ましいのですが、本年2021年度もコロナ禍のため対面開催は無理のようですので、それに代わるイベントをWeb形式で開催する予定です。シンポジウムやイベントなどを企画し、研修会・年次総会委員会で作業を進めております。内容が決まりしだいお知らせいたします。

3.専門資格の準備が進んでいます

 公認心理師取得者の技能向上(スキルアップ)と職業的な地位向上(キャリアアップ)をめざし、また資格取得後の卒後研修の道筋を示すものとして、公認心理師の専門資格制度を準備しています。公認心理師にとって必要なコンピテンスのリストを各専門部会で作成しており、そのリストにもとづいた認定をおこなう予定です。こうした作業は専門資格委員会を中心に検討しています。また、前述のように、このコンピテスリストと研修会内容を関連づけるようにしています。

 なお、各部会(5分野)のコンピテンスを見ると、例えば、科学者-実践家モデルとかエビデンスにもとづく実践といった広く分野横断的に共通するコンピテンスも見られます。当会はそれを公認心理師に必要な基礎的なものと考え、「共通コンピテンス」と呼んでいます。このような「本会がめざす公認心理師のあり方」については、近いうちに当会のウェブサイトで明らかにする予定です。

4.部会制を充実させます

 当会は、公認心理師の活動する5分野に対応して、5つの専門部会を設定しております。①医療部会、②教育・特別支援部会、③司法・犯罪・嗜癖部会、④産業・労働・地域保健部会、⑤福祉・障害部会の5つです。これらの部会が活発に機能できるように、いろいろな工夫をしていきます。例えば、現在、当会ウェブサイトの「会員専用ページ」では、「主要5分野 情報共有掲示板」を設けて、5つの部会の会員相互の情報提供につとめております。また、ウェブサイトの「マイページ」をご覧いただくと、各会員のみなさまが5分野のうちどの分野に関心があるかを登録していただく項目があります。この登録にもとづいて、各専門部会から会員への情報配信(各部会の研修会やイベントなどの情報)を積極的に進めることなども準備中です。このような工夫によって、会員のみなさまと専門部会の連携を深めていくようにしたいと思っております。

5.当会の活動体制が固まってきました

 当会には、5つの専門部会(前述)と、次の7つの委員会があります。すなわち、①倫理・職責・関連法規委員会、②広報委員会、③専門資格委員会、④研修会・年次総会委員会、⑤研究推進・学術情報提供委員会、⑥役員改選制度ワーキングチーム、⑦IT活用推進ワーキングチームです。当会も3年目を迎えて、専門部会と委員会の体制も固まり、会の活動も軌道に乗って参りました。また、当会の発足の母胎となった公認心理師養成大学連絡協議会(公大協)との連携も深めていきたいと思います。

 公認心理師は国民の心身の健康に大きく貢献しています。公認心理師が真に国民のために大きく貢献できるように当会は活動を続けていきたいと思います。今後も皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。

注)当会の略称は、2021年1月の理事会において、「心師会」ないし「公認心理師会」と決まりました。