8月20日(日)年次総会プログラム

PG1 医療部会企画シンポジウム                10:00~12:00       

脳の働きに障害を持つ人と出会ったら

―高次脳機能障害、認知症、統合失調症、発達障害のアセスメントと支援―

司  会    河野 直子    大阪公立大学

        澤田 梢    広島県立障害者リハビリテーションセンター

話題提供    緑川 晶     中央大学

        角田 千景     国立循環器病研究センター

        大塚 貞男   京都大学

        井上 雅彦    鳥取大学

指定討論    松井 三枝   金沢大学

【目的・ねらい】医療領域で働く心理師は、どのような現場であっても、脳機能に問題を抱える方と出会う機会がある。それぞれの疾患に対する基本的な知識をもっておくことで患者をより多角的に理解することができ、必要なアセスメントや心理的な支援を実践することができる。そこで本シンポジウムでは、高次脳機能障害、認知症、精神疾患、発達障害など脳機能の問題に関連する各疾患を取り上げ、それぞれの領域でご活躍の先生より専門的な理解と支援について話題提供いただく。本シンポジウムを通して、私たちが、普段の臨床の場でそれぞれの疾患の方と出会った時に、どのような点に留意してアセスメントや心理的支援を心掛けると良いのか、あるいはどのようなときに専門機関と連携をとっていけば良いのかというヒントを得ることができると考える。また、各疾患についての最新の知見についてもアップデートできる機会としたい。

PG2 教育・特別支援部会/福祉・障害部会企画シンポジウム   10:00~12:00          

福祉・教育領域における公認心理師の協働によるシームレスな就学支援

司  会      山本 淳一     東京都立大学/慶応義塾大学

                日下部 典子  福山大学

話題提供        熊 仁美      NPO法人ADDS

       石川 菜津美   東京大学医学部附属病院

       安達 潤      北海道大学

       大橋 智       東京未来大学

【目的・ねらい】未就学児が就学へと移行する際には、対象児の特性・状態や様々な生活環境の中で、どのような学びの場を選択すべきか保護者は非常に悩む。本シンポジウムでは、福祉・障害部会と教育・特別支援部会の共同企画により、特に発達の課題を抱える子どもたちがスムーズに就学するための最新の取り組みについて、科学的エビデンスに基づいた話題提供を行う。さらに、登壇者によるパネルディスカッションとフロアとの全体討論を通じて、公認心理師がいかにして協働しシームレスな就学支援を実現していくかを追究する。

PG3 公認心理師養成大学教員連絡協議会(公大協)共催シンポジウム  10:00~12:00                

公認心理師養成のための実習指導者講習会の開始に向けて

司  会    丹野 義彦   東京大学

話題提供   吉橋 実里    厚生労働省

         今村 扶美    国立精神・神経医療研究センター病院

       古川 洋和    鳴門教育大学

       古村 健      東尾張病院

【目的・ねらい】公認心理師法が施行され5年が経過し、公認心理師養成のための実習指導者講習会カリキュラムがいよいよ開始となる。令和4年度障害者総合福祉推進事業「公認心理師の多様な活躍につながる人材育成の在り方に資する調査」において、実習指導者講習会のカリキュラムは検討され、準備が進められてきた。本シンポジウムでは、これまでの準備の経過と成果、そして今後の計画について共有し、課題を検討したい。話題提供者には、実習指導者講習会カリキュラム検討の関係者を迎える。公認心理師養成に関わる公認心理師の方々にはご参集を願いたい。

PG4 司法・犯罪・嗜癖部会企画シンポジウム          13:00~15:00          

司法・犯罪・嗜癖領域の公認心理師に求められるチカラ

〜コンピテンスリストについて考える

司  会       嶋田 洋徳     早稲田大学

話題提供       浦田  洋    甲子園大学

       齋藤  梓     上智大学

       岩見 広一    北海道警察本部

       田部井 三貴   東京保護観察所立川支部

       西中 宏吏   早稲田大学

       中川 桂子   大石クリニック

       野村 和孝   北里大学

【目的・ねらい】2017年に公認心理師法が施行され,司法・犯罪分野が公認心理師の主要な活動領域の1つとして位置づけられた。司法・犯罪分野における活動内容として,公認心理師カリキュラム等検討会報告書(厚生労働省,2017)にその概要が記載されているものの,具体的な内容についての定めはなされていない。また,司法・犯罪分野における実践の現状においては,嗜癖を対象とした心理臨床との連携と技術共有が必要不可欠な状況にある。そこで,司法・犯罪・嗜癖部会では,科学者-実践家モデルの理念に基づく公認心理師の求められる役割に応えるため,司法・犯罪・嗜癖分野におけるコンピテンスリスト(一般社団法人公認心理師の会Webページに掲載:https://cpp-network.com/professional/)の作成を行なった。本シンポジウムでは,コンピテンスリストについて,作成の経緯やその狙いについて紹介する。

PG5 臨床発達心理士認定運営機構共催シンポジウム       13:00~15:00          

発達支援における包括的アセスメントから支援の方向性

―科学者・実践家としての根拠のある支援―

司  会       秦野 悦子     白百合女子大学

話題提供        清水 里美     平安女学院大学

萩原 拓      北海道教育大学旭川校特別支援教育分野

本郷 一夫    AFL発達支援研究所

指定討論    星 茂行      臨床発達心理士認定運営機構

【目的・ねらい】定型発達児とは異なる発達特性を持つ子ども、具体的には、発達の遅れ(delay)や、偏り(bias)、歪み(distortion)のある子ども、また、日常生活の適応行動において困難がある子どもは、それぞれに支援を必要とする状況である。支援の対象者にとって生活の中で顕在化する問題は、能力の問題と、行動の問題である。能力の問題は、福祉・教育・心理が支援の中心になる。一方、行動の問題は、それらに医療を加えた多分野連携の支援体制が望ましい。本シンポジウムでは、各話題提供者の方々が、科学者・実践家として行っている「対象者と取り巻く環境を把握するための適切、かつ包括的アセスメント」を取り上げる。萩原氏は「支援につなげる包括的アセスメントの実践的アプローチ」について、清水氏は「発達検査における包括的アセスメント:行動観察の観点」について、本郷氏は「保育の巡回相談の場における包括的アセスメント」を論じる。

*臨床発達心理士の方は、本共催企画研修会に参加した場合、0.5ポイントの臨床発達心理士更新ポイントを付与します。(一般社団法人臨床発達心理士認定運営機構)

PG6 千葉大学 共催シンポジウム    13:00~15:00   

オンラインメンタルヘルス相談支援システムの社会受容性

司  会       清水 栄司    千葉大学

加藤 友章   科学技術振興機構:JST

話題提供        大倉 政宏   希少疾患連絡会

太田 英伸   秋田大学

冨家 直明   北海道医療大学

                 佐藤 大介   千葉大学

竹林 由武    福島県立医科大学

【目的・ねらい】オンラインメンタル相談支援の社会実装が実現されるために「社会的受容性」を得ることが重要である。公認心理師は、心理学に関する相談支援を行う専門家として、他の医学、情報工学、教育学など専門家とともに、「総合知」を活用したAll Japan体制での対話を通じて、オンラインメンタル相談支援の社会への理解、普及を進めていくことができる。本シンポジウムでは、多様な領域でのオンラインメンタル相談支援についての総論から各論までの幅広い話題提供をいただく。最初に、オンラインメンタルヘルス相談支援システムの現在についての総論について、発達障害リスクを持つ乳幼児に対する遠隔療育セラピーについて、オンラインでのスクールカウンセリングについて、成人を対象とした不眠症の認知行動療法アプリの提供について、メンタルヘルスアプリの安全性評価についての話題から、総合的な討論により「社会受容性」についての意見交換を行う。

PG7 MCT-Jネットワーク共催企画シンポジウム             13:00~15:00          

MCTの理論と実践

司  会    古村 健      東尾張病院

話題提供      石川 亮太郎  大正大学

       細野 正人     東京大学

       池田 直矢    東京大学医学部付属病院

【目的・ねらい】メタ認知トレーニング(Metacognitive Training: MCT)は、主に統合失調症の方々を対象とした心理教育・心理療法の技法として開発されました(Moritz & Woodward, 2007)。日本でも、2つのモジュールを原型に追加した10モジュール版MCTの臨床有効性が実証されたこと(Ishikawa et al., 2020)に加えて、うつ病や強迫症のために応用されたツールも翻訳され、臨床における活用の幅も広がっています(石垣,2022)。また本年には「一般社団法人MCT‐Jネットワーク」が創設され、これまで以上の普及が期待されています。本シンポジウムでは、公認心理師の会メンバーにMCTを臨床実践に取り入れていただくため、MCTの理論、現場に即した実践方法、他の介入法との連携などについて各シンポジストが解説します。最後に皆さんとの質疑応答に十分な時間をとりますので、ご参加をお待ちしております。

PG8 産業・労働・地域保健部会企画シンポジウム            15:30~17:00          

デジタルメンタルヘルス

司  会       岡島 義      東京家政大学

       真船 浩介   産業医科大学

話題提供     山本 哲也   徳島大学

       真船 浩介     産業医科大学

       岡島 義      東京家政大学

指定討論   水島 秀聡    小島プレス工業株式会社

【目的・ねらい】労働者の健康保持増進を促す手段として、デジタルメンタルヘルスツールの利用が広がっている。新型コロナウイルスの流行に伴う働き方としてデジタルツールの活用が一層進んだことや、職場のメンタルヘルス対策を労働生産性向上など経営課題の解決と結びつける世界的な動きに合わせて、国内で健康経営活動が盛んに行われるようになったことなどが背景にあると考えられる。そこで本シンポジウムでは、さまざまなデバイスで提供されているアプリやAIやVRを活用した最新のデジタルヘルスケア技術に関する知見を紹介するとともに、非専門家にエビデンスをどのように伝えるのか、労働者に興味を持ってもらい、利用し続けてもらうのかをサイエンスコミュニケーションの視点から、またデジタルメンタルヘルスケアの効果的な活用法と限界について得られている知見について紹介する。公認心理師としてどのようにデジタルヘルスケア技術を利用していくのか考えていく。

PG9 倫理・職責・関連法規委員会企画シンポジウム          15:30~17:00          

公認心理師の共通コンピテンス

司  会      丹野 義彦    東京大学

       伊藤 義徳    人間環境大学

話題提供       金井 嘉宏   東北学院大学

       佐々木 淳   大阪大学

       有光 興記     関西学院大学

【目的・ねらい】公認心理師の会の特色は、5分野それぞれの活動に必要とされるコンピテンス(知識と技能)を明確に具体化し、それに基づいた研修を提供する点にある。そしてそれぞれを横断する「共通コンピテンス」とは、公認心理師として望まれる基礎的能力を示すだけでなく、科学者-実践家モデルとエビデンスにもとづく実践を目指す臨床家の人物像を描くものといえる。本企画では、共通コンピテンスリストの詳細と作成経緯、望まれる公認心理師像としての倫理綱領と倫理規程、そして、より国際的な文脈での心理職のコンピテンス概念や指導モデルについて紹介する。当会そして本邦における公認心理師がいかにあるべきかを考える機会になれば幸いである。

PG10 日本認知療法・認知行動療法学会共催シンポジウム       15:30~17:00          

多様な現場における公認心理師による認知行動療法の実際と課題

~総合病院・がん医療・産業保健分野の実践~

司  会       古村 健      東尾張病院

話題提供        巣黒 慎太郎  神戸女子大学

栁井 優子     国立がん研究センター中央病院

田上 明日香  SOMPOヘルスサポート

指定討論       藤澤 大介   慶応義塾大学医学部/日本認知療法・認知行動療法学会

【目的・ねらい】認知行動療法(CBT)は、うつ病、不安症をはじめ、さまざまな精神障害に対する有効性が認められ、精神医療分野において幅広く活用されてきた。そして、このCBTを実践する担い手としては、公認心理師の貢献は大きく、今後も活躍が期待されている。さらに、CBTは精神障害にとどまらず、さまざまな問題にも活用されるため、活躍の場はさらに広がりをみせている。そこで、本シンポジウムでは、総合病院および産業保健分野で働く3名の公認心理師から、CBTを活用した心理支援の実践報告を行う。どんな問題に対して、何を目的として、どのようなモデルを用いて心理支援を実践しているのか、今後どのような発展が期待されるのかを参加者と共有したい。また、指定発言者からは、CBTの普及と実践者の育成の視点から現状と今後の課題に触れていく。

PG11 研究推進・学術情報提供委員会企画             15:30~17:00  

若手の会の企画イベント(企画中)