2022年度 被害者支援研修(全4回) 後援 警察庁
警察庁 後援名義使用許可期間 2022年12月8日~2023年3月31日
「第4次犯罪被害者等基本計画(令和3年3月閣議決定)」において、初めて「公認心理師」が位置づけられることになりました。具体的には、「犯罪被害者等に関する専門的な知識・技能を有する公認心理師の養成及び研修の実施を促進する」ことが文言として盛り込まれ、公認心理師に対する期待が高まっています。
そして、これまでの我が国の被害者支援における実態として、その支援内容や方法の適切性についてエビデンスが得られているものが少ないことが課題として指摘されてきました。そのため、本領域においても、公認心理師には、エビデンスに基づいた被害者支援を提供することが求められていると言えます。
そこで、公認心理師の会では、改めて、エビデンスに基づく犯罪被害者支援のために必要なコンピテンスを整理し、その枠組みをベースに、体系化された4つの研修を昨年度に引き続き実施いたします。

申 込 「マイページ」よりお願いします(当Webサイト最上部の右上のボタンから)
後 援 警察庁 公益社団法人日本心理学会 公認心理師養成大学教員連絡協議会
ポスター こちら (関係者にご自由に配布していただいてけっこうです)
研修会についてのお問い合わせ先 (株)ヒューマン・リサーチ human_2@abox3.so-net.ne.jp
研修Ⅰ 被害者支援に関する基本的知識と連携
講 師 相澤雅彦(NPO法人World Open Heart)・齋藤 梓(目白大学)
日 時 2023年1月22日(日)13:00~16:00(ライブ配信のみ)
●ワークショップ概要
被害者支援における基本的な知識や態度を身に着け、被害者や遺族に二次的被害を与えずに支援できるようになることを目標として講義とグループワークを実施します。
医療機関や学校臨床場面で、大切な人を暴力的な形で亡くした方や、様々な虐待や性暴力の被害に遭われた方の対応をしたことはないでしょうか。犯罪被害は、実はとても身近な出来事です。今回の研修を通して、対応の基本を学んでいただき、被害者や遺族の安全や安心感を守りながらの介入を考えていければと思っております。
●想定する対象者
・司法犯罪領域で働く心理職
・医療や産業、教育、福祉領域で働く心理職
・トラウマを抱えた方にお会いする可能性のある方
講師 相澤 雅彦 ( NPO法人World Open Heart )
●ご略歴
NPO法人World Open Heart にて加害者家族への支援及び、加害当事者の情状鑑定に携わる。また、刑事施設内処遇カウンセラーとして受刑者に対する再犯防止プログラムファシリテーターとして指導を担当。NPO法人RRP研究会では被害者支援の一環としてDV加害者へのプログラムのファシリテーターとしても活動。墨田区保育園心理巡回相談、東京都公立学校スクールカウンセラー、世田谷学園中学校・高等学校スクールカウンセラー、大東文化大学学生相談室カウンセラー。発達段階に沿った心身発達の支援、家族関係が子どもに与える心理的影響への介入、虐待への介入といった実践にも従事している。
●著書
『性犯罪加害者家族のケアと人権: 尊厳の回復と個人の幸福を目指して』(現代人分社、2020年 共著)
『加害者家族の子どもたちの現状と支援: 犯罪に巻き込まれた子どもたち』(現代人分社,2021年 共著)(分担執筆) 等
●資格
公認心理師、臨床心理士
●おもなワークショップ担当歴
日本子ども虐待防止学会 シンポジスト
日本学生相談学会 小講義講師 東京公認心理士協会「加害者家族の心理的支援」等
講師 斎藤 梓(目白大学心理学部 准教授)

●ご略歴
目白大学心理学部心理カウンセリング学科准教授。専門は臨床心理学・被害者心理学。臨床心理士としてスクールカウンセリング、HIVカウンセリング、精神科クリニック臨床などに携わる傍ら、東京医科歯科大学難治疾患研究所にてPTSDへの持続エクスポージャー療法の治療効果研究に従事。その後、2008年より(公社)被害者支援都民センターにて被害者や遺族の精神的ケアにあたる。主に子どもから大人まで、殺人や性暴力被害といった出来事によるトラウマやPTSD、心的外傷性の悲嘆などの問題について、心理支援や研究、教育を行う。
●著書
『性暴力被害の実際―被害はどのように起き、どう回復するか―』(金剛出版、2020年)(編著者)
『子どものトラウマとPTSDの治療 エビデンスとさまざまな現場における実践』(誠信書房,2021年)(分担執筆) 等
●公的活動・学会活動・社会的活動など
法務省性犯罪に関する刑事法検討会委員,法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会委員 等
●資格
公認心理師、臨床心理士
●おもなワークショップ担当歴
PTSD研究会主催 PTSDのためのPE療法ワークショップ
全国被害者支援ネットワーク主催 全国犯罪被害者支援フォーラム「地域社会で被害者家族を支える~子どもへの中長期的支援のために~」パネリスト
令和2年度性暴力被害者サポートネットワーク茨城 「性暴力被害にあった子どもへの対応」 など
研修Ⅱ 被害者支援におけるアセスメント
講 師 飛鳥井 望(医療法人社団 青山会 青木病院)
日 時 2023年1月6日(金)~3月31日 オンデマンド配信(昨年度の研修の再配信)
<ワークショップ概要>
被害者支援におけるアセスメントには、日常の心理臨床ではあまりなじみのないいくつかの次元が含まれるが、本ワークショップではそれらについて解説する。具体的には、①被害内容に関すること、②現在の安全性に関すること、③刑事手続の進捗状況、④法的支援や他機関による支援状況、⑤生活状況、⑥被害前の社会適応状況、⑦被害後の精神状態とPTSD関連症状の程度、⑧被害前の精神科既往歴・トラウマ歴、⑨対処行動、⑩パーソナル・リソース(対処能力や周囲のサポート)などである。適切な支援を進めるには、それらについてできるだけ漏らさず情報を得ることが望ましい。ただし実際の支援現場では、すぐに十分なアセスメントができないこともまれではなく、そういった場合は、どのような情報が未聴取であるかを確認しておく。また大事なことは、被害者や遺族のトラウマへの共感的態度を保ちながらアセスメントを進める中で、信頼関係の構築を図ることである。
<想定する対象者>
公認心理師
講師 飛鳥井 望 先生
(医療法人社団青山会青木病院院長 / 公益社団法人被害者支援都民センター理事長 / 公益財団法人東京都医学総合研究所特別客員研究員)
●ご略歴
東京大学医学部1977年卒。東大病院分院神経科、都立墨東病院神経科を経て、1992年より東京都精神医学総合研究所勤務。2009年-2011年 同研究所所長代行。2011年東京都医学総合研究所副所長。2015年青木病院副院長、2017年より同院長。
●著書
『複雑性PTSDの臨床実践ガイド―トラウマ焦点化治療の活用と工夫』(編著, 日本評論社, 2021年), 『子どものトラウマとPTSDの治療』(共編,誠信書房,2021年),『複雑性PTSDの臨床』(分担執筆,金剛出版,2021年),『講座 精神疾患の臨床 3.不安または恐怖関連症群 強迫症 ストレス関連症群 パーソナリティ症』(心的外傷後ストレス症、複雑性心的外傷後ストレス症)(分担執筆,中山書店,2021年),『PTSD治療ガイドライン(第2版)』(監訳,金剛出版,2013年),『精神科臨床エキスパート 不安障害診療のすべて』(心的外傷後ストレス障害)(分担執筆,医学書院,2013年),『新しい診断と治療のABC:心的外傷後ストレス障害(PTSD)』(編著,最新医学社,2011年),『PTSDの臨床研究―理論と実践』(単著, 金剛出版,2008年),『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』(監修,講談社ライブラリー,2007年),『サイコロジカル・トラウマ』(監訳,金剛出版,2004年),『臨床精神医学講座S6 外傷後ストレス障害(PTSD)』(共編,中山書店,2000年),他
●公的活動・学会活動・社会的活動など
・公益社団法人被害者支援都民センター理事長
・東京都犯罪被害者支援連絡会会長
・公益社団法人全国被害者支援ネットワーク 理事
・犯罪被害者等基本計画策定・推進専門委員等会議 議長
・東京都犯罪被害者等支援施策検討委員会委員
・東京都災害時こころのケア体制連絡調整会議 委員長 ・日本トラウマティック・ストレス学会初代会長
●資格
医学博士,精神科専門医・指導医
研修Ⅲ DV被害者支援への心理学的介入(被害特有の問題への対応)
講 師 森田 展彰(筑波大学)・ 相澤 雅彦(NPO法人 NPO法人World Open Heart )
日 時 2023年2月18日(土)9:00~12:00(ライブ配信のみ)
<ワークショップ概要>
具体的には、DVによる被害の概要や特長、DV被害に遭われた方への心身への影響と支援技法、DVの被害が子どもや家族構造に及ぼす影響(面前DV等)と心理学的介入、他機関との連携の留意点等、具体例を交えながら見立てや支援のポイントをお伝えしたいと思います。
講師 森田 展彰 先生(筑波大学医学医学系・准教授)

●ご略歴
学歴:1993年3月筑波大学大学院博士課程医学研究科修了、博士(医学)
研究テーマ:アディクション、トラウマ関連障害の治療、児童虐待・DV・犯罪の加害者・被害者のケアと介入。
●最近の論文・著書
「家庭内の暴力における関係性」心の科学-特別企画 犯罪の心理 関係性の中の犯罪65-72,2016.
森田展彰:第4章 DV被害者に対する心理教育 事例でみる心理教育実践 トラウマの伝え方 大江美佐里 編 誠信書房 東京都2021年11月20日pp34-48
森田展彰:第9章父親の子ども虐待とドメスティックバイオレンス 養育者としての男性 父親としての役割とは何か 数井みゆき 編著 ミネルヴァ書房 京都府 2021年7月30日 初版第1号 pp231-255
森田展彰:はじめに、NPO法人リスペクトフル・リレーションシップ・プログラム研究会編著、森田展彰、高橋郁絵・古賀絵子、古藤吾郎・髙野喜之編集協力、DV加害者プログラム・マニュアル 金剛出版 東京都 2020年
●公的活動・学会活動・社会的活動など
日本アルコール・アディクション医学会 日本子ども虐待防止学会
児童相談所、児童養護施設の嘱託医
●資格
医師、精神科医専門医
●受賞歴など
アルコール・アディクション医学会優秀論文賞2021年度
●公認心理師の方へ一言
DV被害女性やその子どもの支援には、DVという支配的関係のもたらすアタッチメント・トラウマの問題、社会的な支援体制の現状について知っておくことが重要です。 そうした基本的な理解をもとに心理療法のみでなくケースワークを合わせて行ってほしいと思います。
講師 相澤 雅彦 ( NPO法人World Open Heart )
●ご略歴
NPO法人World Open Heart にて加害者家族への支援及び、加害当事者の情状鑑定に携わる。また、刑事施設内処遇カウンセラーとして受刑者に対する再犯防止プログラムファシリテーターとして指導を担当。NPO法人RRP研究会では被害者支援の一環としてDV加害者へのプログラムのファシリテーターとしても活動。墨田区保育園心理巡回相談、東京都公立学校スクールカウンセラー、世田谷学園中学校・高等学校スクールカウンセラー、大東文化大学学生相談室カウンセラー。発達段階に沿った心身発達の支援、家族関係が子どもに与える心理的影響への介入、虐待への介入といった実践にも従事している。
●著書
『性犯罪加害者家族のケアと人権: 尊厳の回復と個人の幸福を目指して』(現代人分社、2020年 共著)
『加害者家族の子どもたちの現状と支援: 犯罪に巻き込まれた子どもたち』(現代人分社,2021年 共著)(分担執筆) 等
●資格
公認心理師、臨床心理士
●おもなワークショップ担当歴
日本子ども虐待防止学会 シンポジスト
日本学生相談学会 小講義講師 東京公認心理士協会「加害者家族の心理的支援」等
研修Ⅳ 被害者支援への心理学的介入(精神症状に対する対応)
講 師 伊藤大輔(兵庫教育大学)・齋藤 梓(目白大学)
日 時 2023年3月19日(日)13:00~16:00(ライブ配信のみ)
<ワークショップ概要>
「エビデンスのあるトラウマに対する心理療法の概要について理解し,心理教育・リラクセーション・実生活内曝露などの心理学的介入を提供することができるようになること」を目標として,講義やグループワークを実施します。具体的には,トラウマに対する心理療法の理論や近年の動向について簡潔に概観した後に,各介入技法の実践について解説します。特に,犯罪被害者の特徴を踏まえた上で,これらの介入を提供する際の留意点やポイントを押さえながら解説したいと思います。
<想定する対象者>
※初級~中級
・司法犯罪領域で働く心理職
・医療や産業、教育、福祉領域で働く心理職
・トラウマを抱えた方にお会いする可能性のある方
講師 伊藤 大輔 先生(兵庫教育大学大学院学校教育研究科准教授)

●ご略歴
専門は臨床心理学・認知行動療法。主に青年期以降のうつや不安,トラウマ関連障害に対する心理支援や研究、教育を行っている。 これまでに,公認心理師・臨床心理士として、精神科クリニック臨床、スクールカウンセリング、警察被害者等カウンセラー及びカウンセリングアドバイザーなどに携わる傍ら,PTSD治療のための基礎的研究や認知行動療法を援用した被害者・被災者支援の実践研究にも従事している。
●著書
『対人援助と心のケアに活かす心理学』 有斐閣 2017年 (共著)
『PTSDハンドブック -科学と実践-』 金剛出版 2014年 (共著訳)
『トラウマ体験者の外傷後ストレス症状に関する認知行動モデル』風間書房 2013年
●公的活動・学会活動・社会的活動など
公認心理師の会(司法・犯罪・嗜癖部会,医療部会委員)
日本心理学会災害研究支援委員会委員
●資格
公認心理師 / 臨床心理士 / 認知行動療法師 / 認知行動療法スーパーバイザー
●受賞歴など
日本ストレス学会 加藤・岩根賞
日本行動療法学会 内山記念賞
日本認知療法学会 第3回最優秀論文賞
講師 斎藤 梓 先生 (目白大学心理学部 准教授)

●ご略歴
目白大学心理学部心理カウンセリング学科准教授。専門は臨床心理学・被害者心理学。臨床心理士としてスクールカウンセリング、HIVカウンセリング、精神科クリニック臨床などに携わる傍ら、東京医科歯科大学難治疾患研究所にてPTSDへの持続エクスポージャー療法の治療効果研究に従事。その後、2008年より(公社)被害者支援都民センターにて被害者や遺族の精神的ケアにあたる。主に子どもから大人まで、殺人や性暴力被害といった出来事によるトラウマやPTSD、心的外傷性の悲嘆などの問題について、心理支援や研究、教育を行う。
●著書
『性暴力被害の実際―被害はどのように起き、どう回復するか―』(金剛出版、2020年)(編著者)
『子どものトラウマとPTSDの治療 エビデンスとさまざまな現場における実践』(誠信書房,2021年)(分担執筆) 等
●公的活動・学会活動・社会的活動など
法務省性犯罪に関する刑事法検討会委員,法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会委員 等
●資格
公認心理師、臨床心理士
●おもなワークショップ担当歴
PTSD研究会主催 PTSDのためのPE療法ワークショップ
全国被害者支援ネットワーク主催 全国犯罪被害者支援フォーラム「地域社会で被害者家族を支える~子どもへの中長期的支援のために~」パネリスト
令和2年度性暴力被害者サポートネットワーク茨城 「性暴力被害にあった子どもへの対応」 など