Web研修会
被害者支援におけるアセスメントには、日常の心理臨床ではあまりなじみのないいくつかの次元が含まれるが、本ワークショップではそれらについて解説する。具体的には、①被害内容に関すること、②現在の安全性に関すること、③刑事手続の進捗状況、④法的支援や他機関による支援状況、⑤生活状況、⑥被害前の社会適応状況、⑦被害後の精神状態とPTSD関連症状の程度、⑧被害前の精神科既往歴・トラウマ歴、⑨対処行動、⑩パーソナル・リソース(対処能力や周囲のサポート)などである。適切な支援を進めるには、それらについてできるだけ漏らさず情報を得ることが望ましい。ただし実際の支援現場では、すぐに十分なアセスメントができないこともまれではなく、そういった場合は、どのような情報が未聴取であるかを確認しておく。また大事なことは、被害者や遺族のトラウマへの共感的態度を保ちながらアセスメントを進める中で、信頼関係の構築を図ることである。
2025年1月12日(金)~3月28日(金) オンデマンド配信(2022昨年度の研修の再配信)
※2024年度 被害者支援研修会にて開催
公認心理師
医療法人社団青山会青木病院院長 / 公益社団法人被害者支援都民センター理事長 / 公益財団法人東京都医学総合研究所特別客員研究員
東京大学医学部1977年卒。東大病院分院神経科、都立墨東病院神経科を経て、1992年より東京都精神医学総合研究所勤務。2009年-2011年 同研究所所長代行。2011年東京都医学総合研究所副所長。2015年青木病院副院長、2017年より同院長。
『複雑性PTSDの臨床実践ガイド―トラウマ焦点化治療の活用と工夫』(編著, 日本評論社, 2021年)
『子どものトラウマとPTSDの治療』(共編,誠信書房,2021年)
『複雑性PTSDの臨床』(分担執筆,金剛出版,2021年)
『講座 精神疾患の臨床 3.不安または恐怖関連症群 強迫症 ストレス関連症群 パーソナリティ症』(心的外傷後ストレス症、複雑性心的外傷後ストレス症)(分担執筆,中山書店,2021年)
『PTSD治療ガイドライン(第2版)』(監訳,金剛出版,2013年)
『精神科臨床エキスパート 不安障害診療のすべて』(心的外傷後ストレス障害)(分担執筆,医学書院,2013年)
『新しい診断と治療のABC:心的外傷後ストレス障害(PTSD)』(編著,最新医学社,2011年)
『PTSDの臨床研究―理論と実践』(単著, 金剛出版,2008年)
『PTSDとトラウマのすべてがわかる本』(監修,講談社ライブラリー,2007年)
『サイコロジカル・トラウマ』(監訳,金剛出版,2004年)
『臨床精神医学講座S6 外傷後ストレス障害(PTSD)』(共編,中山書店,2000年)他
公益社団法人被害者支援都民センター理事長
東京都犯罪被害者支援連絡会会長
公益社団法人全国被害者支援ネットワーク 理事
犯罪被害者等基本計画策定・推進専門委員等会議 議長
東京都犯罪被害者等支援施策検討委員会委員
東京都災害時こころのケア体制連絡調整会議 委員長 ・日本トラウマティック・ストレス学会初代会長
医学博士,精神科専門医・指導医