公認心理師の会

対面研修会

WS4 産業:産業分野の心理的支援における多職種・多機関連携:働く人の支援で知っておきたい知識とスキル

ワークショップ詳細

開催日時

2019年10月19日(土)午後の部 14:00~17:00
2019年 第1回主要5分野専門研修会 関東開催にて開催

研修方式

講義

想定する対象者

産業分野で活動する、または興味のある公認心理師

ワークショップ概要

  心理職が「組織」の課題解決のアプローチをする際には、そのアプロ ーチによって課題が改善され、さらに定着していくことが重要であるが、その般化のプロセスには 産業医や産業看護職等の産業保健スタッフ、人事労務担当者や、現場の管理職などとの協働が不可 欠である。したがって労働安全衛生の基本的な知識や標準的な人事制度の理解などの基本的な考え 方は共通言語を話すために必須であるし、それをふまえて、心理職としての知見をどのように状況 にあわせて(改善可能なことを)提案していけるかが腕の見せ所といえる。しかしながら、前提と して不可欠な共通言語についてさえ、学ぶことができる環境は十分ではない。
本研修では、産業領域で働く心理職に限らず、働く人を支援する心理 職が①労働関係の法令や一般的な人事制度の理解を通して、働く人の支援に活かせる知識を提供 し、②連携のポイントと心理学的スキルの活かし方を通して、社内外の連携の際に必要な心理学的 支援の実践についてイメージを持てることを目的とする。

講師紹介

田上 明日香

所属

SOMPOヘルスサポート株式会社

略歴

リクルートグループでの社会人経験を経て、2005年早稲田大学大学院人間科学研究科修士課程入学、2011年同専攻博士後期課程修了。同年より現職。2013年より、早稲田大学非常勤講師を兼任

著書

田上明日香 2012 うつ病の復職支援,東条光彦・大河内浩人・嶋田洋徳・鈴木伸一・金井嘉宏(編著) 坂野雄二(監修)60のケースから学ぶ認知行動療法,北王路書房,京都,320-324.
田上明日香,鈴木伸一 2017 ストレスとのつきあいかた 鹿毛雅治(編)パフォーマンスがわかる12の理論,金剛出版,東京,241-271.

学会活動

日本認知・行動療法学会、日本産業衛生学会、日本産業精神保健学会、日本うつ病学会

資格

公認心理師、認定行動療法士、臨床心理士、キャリア・コンサルティング技能士2級、第一種衛生管理者、衛生工学衛生管理者

おもなワークショップ担当歴

田上明日香 2011 うつ病による職場復帰支援の現状と課題―“復職”に必要な支援プログラムを考えるー,“うつ病による休職者への復職支援プログラム”,第11回認知療法学会研修会【研修講師】
その他、企業従業員対象の研修(管理職向け(ラインケア)研修・従業員向け(セルフケア)研修)多数

谷口 敏淳

所属

一般社団法人 Psychoro

略歴

兵庫教育大学大学院修士課程を修了後,総合病院精神科の常勤心理士として約10年間医療現場に従事。精神科外来における心理的支援から総合病院におけるリエゾン・コンサルテーション,また医療従事者のメンタルヘルスケアの取り組みなどを行なった。2010年から大阪大学医学系研究科博士後期課程に社会人入学。現場で臨床を続けながら研究をまとめ2014年には博士号(医学)を取得。2016年9月より福山大学人間文化学部心理学科に准教授として赴任。同時期に一般社団法人Psychoroを設立し、地域への普及活動や企業へのメンタルヘルスに関するコンサルティングをはじめる。大学では教育・研究に従事しながら,主に公認心理師養成における実習体制の構築に取り組んだ。その後,地域での臨床活動に専念するため2019年3月末で大学を退職し,現在は,一般社団法人Psychoroの代表理事として認知行動療法を軸に医療,教育,産業の分野での心理臨床実践と地域精神保健の推進に向けた活動に専念している。

主な論文と著書

「認知行動療法を生かした発達障害児・者への支援〜就学前から就学時,就労まで〜」分担執筆, ジアーズ教育出版,2016年, p197-215
「公認心理師養成のための保健・医療系実習ガイドブック」分担執筆,北大路書房,2018年, p180-184
「あいだを埋める存在として」心理学ワールド86号(2019年7月発行)特集企画,2019年(https://psych.or.jp/publication/world086/pw12
「認知行動療法大辞典」編者 嶋田洋徳 他,丸善出版,2019年, in press

学会活動など

【社会活動】
精神障害者雇用支援連絡協議会 委員 (2006年4月〜)
鳥取労働局発達障害者専門指導監 (2016年4月〜)
e-BIM研究会 評議員(2016年9月〜)
一般社団法人 Psychoro(サイコロ)代表理事(2016年9月〜)
公認心理師養成教員連絡協議会 現場実習検討委員(2018年3月〜)
一般社団法人 公認心理師の会(https://cpp-network.com/)理事(2018年12月〜)
一般社団法人 鳥取県臨床心理士会 産業・組織担当理事(2019年5月〜)

【学会活動】
所属学会:日本認知・行動療法学会,日本健康心理学会,日本行動医学会,職業リハビリテーション学会,総合病院精神医学会,日本サイコオンコロジー学会
学会委員:日本サイコオンコロジー学会 プログラム委員(2015年より現在),日本認知・行動療法学会 編集委員(2016年より現在),日本健康心理学会 研究推進委員(2018年より現在)

論文(査読付かつ筆頭著者)

谷口敏淳・竹田伸也・田治米佳世(2010)心因性発作により救急外来頻回受診に至った身体表現性障害患者への介入過程―臨床心理士によるアセスメント・コーディネート―.精神科治療学,25(11),1535-1541.
谷口敏淳・竹田伸也・田治米佳世(2010)臨床心理士による就労支援の利点と課題—総合病院精神科外来における実践を通じて−.精神障害とリハビリテーション, 14(2), 181-186.
谷口敏淳・田治米佳世(2010)総合病院精神科における院内相談支援システム構築への試み.総合病院 精神医学,22(4), 358-365.
谷口敏淳(2012)自己臭恐怖症への認知行動療法の適用―症状の低減から就労支援まで―.行動療法研究,3(3),247-257.
Taniguchi, T., Hirai, K., Sumi, R., Hayashi, N., Maeda, K., & Ito, T. (2014). Predictors of colonoscopy use one year after colonoscopy: prospective study of surveillance behavior for colorectal cancer. Health Psychology and Behavioral Medicine, 2(1), 283–295. doi:10.1080/21642850.2014.889573
Taniguchi, T., Hirai, K., Harada, K., Ishikawa, Y., Nagatsuka, M., Fukuyoshi, J., … Shibuya, D. (2015). The relationship between obtaining fecal occult blood test and beliefs regarding testing among Japanese. Health Psychology and Behavioral Medicine, 3(1), 251–262. doi:10.1080/21642850.2015.1084473
Taniguchi, T., Tanimukai, H., Hirai, K., & Tajime, K. (2018). A Pilot Study of Barriers to Psychiatric Treatment among Japanese Healthcare Workers. Medical Science & Healthcare Practice, 2(2), 76. http://doi.org/10.22158/mshp.v2n2p76

資格

公認心理師,臨床心理士,精神保健福祉士,専門行動療法士

受賞歴

第20回日本行動医学会若手奨励賞
演題:大腸内視鏡検査後の1年後再検査受診の予測要因の検討:大腸内視鏡サーベイランスにむけた前向き調査研究.