公認心理師の会

年次総会

WS1 「効果が出ない」から抜け出す学級集団への支援のポイント

ワークショップ詳細

開催日時

2019年11月24日(日)午前の部10:00~13:00
2019年 第1回主要5分野専門研修会 関西開催にて開催

研修方式

講義、演習

想定する対象者

公認心理師、公認心理師資格取得を目指す方、教育関係者

ワークショップ概要

  公認心理師に求められる能力として、心の健康の保持増進が挙げれています。これを実現するための方法の1つとして、学級集団を対象とした心理的支援の提があります。これは、スクールカウンセラーの業務にも位置づけられており、さまざまな研修が開催されています。しかしながら、実際に集団への支援を実施しても、「なかなか効果が出い」という声を耳にすることが多いのも現状です。

本ワークショップでは、集団への支援を行う際のアセスメントの点、実践上の工夫、効果を日常に般化させるためのポイントについて、ご紹介いたします。想している支援対象は、小学校、中学校、高校の学級集団、あるいは学年集団です。主に社会的キル訓練、問題解決訓練の実施手順について紹介しつつ、受講者の先生方には、特に「一次防」の視点から学級集団への支援を提供するための知識や技能を習得していただくことを目標します。

 「自己有用感」など、「何とでも有意な相関が得られるので研究には好都合な潜在変数」で理解したつもりになっていないでしょうか。問題発生してから「後づけの理屈」「後づけの心理検査解釈」で、理解できたつもりになってはいないでしょうか。「発達障害を見いだすために不登校は防ぐべきではない」とのトンデモな意見が一部にあるそうですが、一般の学校に通う児童生徒に「障害の鑑別」を優先し医療の問題としたがる教師のホンネはどこにあるのでしょうか。

不登校の未然防止について家庭にはいかなる「愛情のカタチ」を提案すべきか、など。そして、長期化した不登校事例を前によく語られる「心のエネルギー」について、実は効果的な「ため方」があるのに、「待ち」の対応の提案だけでよいのか。これらを取り上げます。

講師紹介

小関 俊祐

所属・役職

桜美林大学

略歴

山形県出身,新潟大学卒業後,兵庫教育大学で修士,博士を取得。日本学術振興会特別研究員を経て,2010年より愛知教育大学助教,2014年より現職である桜美林大学心理・教育学系に着任。
専門は子どもを対象とした認知行動療法であり,子どものストレスマネジメントや特別支援教育を専門に,研究や臨床実践を積み重ねている。
2018年に発足した,日本公認心理師の会教育・特別支援部門長として活動を行っている。

著書

「小学生に対する抑うつ低減プログラムの開発」 風間書房
「認知行動療法を生かした発達障害児・者への支援~就学前から就学時,就労まで~」 ジアース教育新社
佐々木和義(監修)小関俊祐・石原廣保・池田浩之(編著)
「対人援助と心のケアに活かす心理学」 有斐閣
鈴木伸一(編著)伊藤大輔・尾形明子・国里愛彦・小関俊祐・中村菜々子・松永美希(著)
「いじめ問題解決ハンドブックー教師とカウンセラーの実践を支える学校臨床心理学の発想ー」 金子書房
山本奨・大谷哲弘・小関俊祐(著)
など

学会活動など

公認心理師の会 理事、教育・特別支援部門長
公認心理師養成大学教員連絡協議会 現場実習検討委員会副委員長
日本認知・行動療法学会 公認心理師対応委員会委員、倫理委員
日本ストレスマネジメント学会 常任理事、事務局長
など

資格

公認心理師、臨床心理士、専門行動療法士、指導健康心理士

受賞歴など

日本ストレスマネジメント学会1回最優秀論文賞(山中寛賞)共同受賞(2017年7月)
日本認知療法学会第三回最優秀論文賞 共同受賞(2016年11月)
日本行動療法学会内山記念賞 共同受賞(2013年8月)
など

主なワークショップ担当歴

日本認知・行動療法学会第45回大会 スキルアップレクチャー「ソーシャルスキル教育」
日本健康心理学会第28回大会準備委員会企画ワークショップ 「学校におけるストレスマネジメント教育の実践」
日本認知・行動療法学会主催 いわて認知行動療法セミナー 講師「学校と家庭で行う子ども支援」
日本健康心理学会研修会「認知行動療法の理論と実践」,「子どもを対象とした認知行動療法I(集団)」,「子どもを対象とした認知行動療法II(個人)」
など