公認心理師の会

対面研修会

WS4 「痛み」をラディカルに捉え直すことではじまる慢性疼痛への心理・社会的アプローチ:その基礎と実際

ワークショップ詳細

開催日時

2019年11月24日(日)午後の部14:00~17:00
2019年 第1回主要5分野専門研修会 関西開催にて開催

研修方式

講義形式

想定する対象者

慢性疼痛支援に関心のある援助職および大学院生

ワークショップ概要

  慢性疼痛には、生物学的要因に加え、心理的要因や社会的要因が複雑に関連していると考えられています。そのため、慢性疼痛診療においては、生物-心理-社会モデルにもとづき、多職種による「多角的な評価」とそれに基づく「集学的治療」を行うことが望ましいとされています。本研修では、慢性疼痛診療の現場で実際に行われている「痛み」に対する多角的な評価(アセスメント)を概観しながら、多職種連携における心理師の役割について検討します。さらに、心理・社会的トリートメントの具体的な手続きについて、アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)を中心に解説します。現場でよく出会うであろう複数の架空事例をもとにしながら、アセスメントとトリートメントの実際を紹介したいと思います。

本研修の内容は、
①国際疼痛学会(IASP)による「痛み」の定義についての検討
②痛みに対する⼼理・社会的トリートメント・モデルの変遷
③痛みに対する⼼理・社会的トリートメントのエビデンスの確認
④質疑応答
という4部から構成される予定である。

①IASPによる「痛み」の定義についての検討では、⼀般的な「痛み」に関する認識を再検証し、⼼理・社会的トリートメントの重要性を再認識する。③痛みに対する⼼理・社会的トリートメント・モデルの変遷では、1960年代〜現代までの主要な科学的なトリートメント・モデルを年代順に整理し、各モデルの差異やその中核的な特徴を整理する。3痛みに対する⼼理・社会的トリートメントのエビデンスの確認では、現時点におけるエビデンスの概要と、その注意点について把握する。

講師紹介

武藤 崇

所属

同志社大学

略歴

筑波大学大学院心身障害学研究科心身障害学専攻修了,博士(心身障害学)(1998年)
筑波大学心身障害学系 技官・助手(1998-2001年)
立命館大学文学部および大学院応用人間科学研究科 准教授(2001-2010年)
米国ネバダ大学リノ校心理学部 客員研究教授(S.C. Hayes研究室所属)(2007-2008年)
同志社大学心理学部および大学院心理学研究科 教授(2010年-現在)
東京大学医学部附属病院22世紀医療センター腎疾患総合医療学講座 客員講師(2011-2015年)
同志社大学実証に基づく心理・社会的トリートメント研究センター(WEST) センター長(2011年-現在)
名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野 客員教授(2017年-現在)

著書

武藤崇(編著)(2019)『臨床言語心理学の可能性:公認心理師時代における心理学の基礎を再考する』 晃洋書房
武藤崇(編著;事典編纂委員会主幹)(2019)『行動分析学事典』 丸善出版
武藤崇(編著)(2017)『55歳からのアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT):超高齢化社会のための認知行動療法の新展開』 ratik
その他,多数

学会活動など

一般社団法人日本行動分析学会・理事長など

資格

公認心理師,臨床心理士

受賞歴など

「感情心理学研究」優秀論文賞(2014年)
「日本特殊教育学会」研究奨励賞(2002年)
など

主なワークショップ担当歴

一般社団法人日本認知・行動療法学会,日本認知療法・認知行動療法学会などにおいて,アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)および行動分析学に関するワークショップを多数担当。

酒井 美枝

所属

名古屋市立大学

略歴

2008年に琉球大学教育学部を卒業、2010年に琉球大学大学院教育学研究科修了(修士〔教育学〕)、2014年に同志社大学大学院心理学研究科を修了(博士〔心理学〕)。心療内科・精神科クリニック非常勤心理士、同志社大学心理学部嘱託講師、同志社大学心理臨床センター相談員等を経て、現在(2017年4月~)、名古屋市立大学大学院医学研究科 精神・認知・行動医学分野 所属。同大学病院いたみセンターにて慢性痛診療に従事。

著書

55歳からのアクセプタンス&コミットメント・セラピー(分担執筆,特定非営利活動法人ratik,2017)
使いこなすACT(監訳,星和書店,2017)
ACTハンドブック(分担執筆,星和書店,2011)
こころのりんしょうa・la・carte 第28巻1号 特集ACT(分担執筆,星和書店,2009)

学会活動

The Japanese Association for Contextual Behavioral Science(理事)、日本認知・行動療法学会(編集委員)

資格

公認心理師、臨床心理士、認定行動療法士

受賞歴など

「感情心理学研究」優秀論文賞 受賞

おもなワークショップ担当歴

2016年度ACT Japan年次ミーティング「入門WS:ACTの視点をおさらいする」
厚生労働省慢性疼痛診療体制構築モデル事業「慢性疼痛診療研修会」(分担講師)